つみたて枠に「読売333」と「JPXプライム150」が追加。選べる指数が増えて、どう選ぶ?
「つみたて投資枠で選べる対象が増えるらしい」と聞いたとき、私が最初に思ったのは、正直に言うと「嬉しいような、また迷うような…」でした。選択肢が広がるのはありがたいのですが、その分「で、結局どれを選べばいいの?」という悩みも増えるんですよね。同じように感じる方は、たぶん少なくないと思います。
今回はこの拡充の中身を、ひとつずつ整理してみます。
先に結論をお伝えします
今回つみたて投資枠に加わるのは、大きく分けて、読売333とJPXプライム150という2つの国内株の指数、先進国や新興国といった地域単体の指数に連動する投信、そして債券を中心とした投信です。
選べる幅は確かに広がります。ただ、私がお伝えしたいのは、「増えたからといって、今の積立を慌てて乗り換える必要はない」ということです。全世界にするのか国内にするのか、株だけにするのか債券も混ぜるのか。自分の軸さえ定まっていれば、選択肢が増えたことに振り回されずにすみます。むしろ軸がないまま新しいものに飛びつくと、迷子になりやすいんです。
そもそも何が追加されるのか
順番に見ていきますね。今回の拡充は、2025年12月に公表された令和8年度税制改正大綱で示されたものです。
ひとつめは、指定される株式指数の追加です。これまでTOPIXや日経平均株価、全世界株のMSCI ACWIといった指数が対象でしたが、そこに読売株価指数(読売333)とJPXプライム150指数が加わりました。
ふたつめは、先進国や新興国など、一定の広がりのある地域を対象とした指数について、その指数だけに連動する投信も対象になること。これまでは他の指数と組み合わせる必要があったものが、単体で選べるようになる方向です。
みっつめが、債券を中心とした投資信託の追加です。これまでつみたて枠は株式中心の品ぞろえでしたから、これはけっこう性格の違う変化だと思います。
読売333って、どんな指数?
新しく入った2つの指数は、名前だけだとピンと来ないですよね。中身を見てみましょう。
読売333は、読売新聞社が公表している指数です。まず国内の上場企業から、直近60日の平均売買代金が多い上位500社を抽出し、その中から時価総額の大きい上位333社を選びます。おもしろいのは、その333社を等ウェート、つまりほぼ均等の割合で組み入れている点です。
これがどういうことかというと、TOPIXのように「大きい会社ほど比率が大きい」形ではなく、大企業も中堅企業もだいたい同じ重みで持つ、ということなんですね。特定の巨大企業に偏りにくい代わりに、中堅どころの値動きの影響を受けやすい、という癖があります。良い悪いではなく、そういう性格の指数だと理解しておくといいと思います。
JPXプライム150は「質」で選んだ150社
もうひとつのJPXプライム150は、東証プライム市場の企業の中から、いわゆる「稼ぐ力」が高いと判断される会社を選んだ指数です。選ぶ基準は、資本をどれだけ効率よく利益に変えているか(資本収益性)と、市場からの評価(PBRという株価の割安・割高を測る指標)です。
ざっくり言えば、プライム市場の中から「稼ぐ力のある150社」に絞り込んだもの、というイメージです。銘柄数を広く持つTOPIXとは違い、質を重視して数を絞っている点が特徴です。分散の広さでは全体型の指数に譲りますが、選ばれた企業の性格ははっきりしています。
見落としやすい点
ここからは、他ではあまり語られない部分を書いておきます。
まず、いちばん大事なこと。「選択肢が増える=良いこと」とは限りません。増えれば増えるほど、迷って始められなかったり、次々と乗り換えてしまったりしがちです。積立でいちばん効くのは、決めたものを長く続けることです。もしあなたが全世界株やS&P500といった土台をすでに決めているなら、新しい指数は「サテライト(脇役)」として眺めるくらいでちょうどいいと思います。
次に、これは意外と見落とされがちなのですが、指数が対象に加わったからといって、それに連動する低コストの投信がすぐに出そろうわけではありません。指数の中身が良さそうに見えても、実際に手数料の安い商品が用意されているかは別の話です。実際に選べるようになるのはこれからなので、焦らず、商品の信託報酬(保有中にかかる手数料)を確認してから、で十分だと思います。
そして債券投信について。値動きを抑えたい人にとって選択肢が広がるのは良いことですが、債券は「元本保証」ではありません。金利が上がると、すでに発行されている債券の価格は下がります。日銀が利上げを進めている今の局面では、ここは知っておきたいところです。安全そうに見えて、債券にも値動きはあるんですね。
最後にひとつ、取り崩し期の方向けの注意を。今回の改正で、定期売却サービスに限って手数料が徴収される場合が出てきます。これまでつみたて枠の売買手数料はゼロでしたから、資産を定期的に取り崩していくフェーズの方は、使うサービスの条件を一度確認しておくと安心です。
自分の場合、どう組むといいか試してみてください
国内株を厚めにするのか、全世界で広く持つのか。株だけでいくのか、債券も少し混ぜて値動きを抑えるのか。この配分の違いで、期待できるリターンや値動きの幅は変わってきます。頭の中だけで考えると、なかなか像を結びませんよね。
当サイトのシミュレーターは、NISA・iDeCo・企業型DCの3つの制度をまとめて試せます。毎月の積立額や期間、想定利回りを動かして、「もう少し値動きを抑えた想定」と「積極的な想定」の両方を眺めてみてください。新しい選択肢に振り回される前に、自分の軸を確かめる助けになると思います。
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※この記事は2026年7月時点の情報をもとにした一般的な解説で、個別の投資の助言や特定商品の推奨ではありません。制度の詳細や対象商品は今後の告示・政省令などで確定・変更されることがあります。実際の取り扱いは、金融庁の公表資料や各金融機関、専門家にご確認ください。

