2026年7月、ドル円は一時1ドル163円23銭まで上昇し、円は約40年ぶりの安値をつけました。政府からは為替の過度な動きに対して行動する姿勢が示され、再び為替介入が意識されています。
オルカンを持っている方にとって、気になるのは介入による急な円高です。結論からお伝えすると、海外株の価格が変わらないまま、ドル円が163円から155円へ戻ると、オルカン100万円は約95万3,000円になるという概算です。
ただし、介入が行われる時期も、その後の為替水準も予測できません。163円になったから必ず介入がある、という話ではありません。
為替介入では何をするの?
円安を止めるための為替介入では、政府が保有する米ドルを売り、円を買います。市場で円を買う需要が急に増えるため、ドル円は円高方向へ動きやすくなります。
実際、日本政府は2026年4月28日から5月27日までに、合計11兆7,349億円の為替介入を実施しました。財務省が公表した月間の介入額として、過去最大の規模です。
このとき、ドル円は一時160円72銭付近から155円50銭まで円高になりました。ところが、その後は再び円安が進み、7月には163円台へ到達しています。介入は短期間の値動きを変えても、金利差や原油高などの環境まで変えるものではありません。
163円から155円になると何%の円高?
ドル円が163円から155円へ動くと、外貨の円換算額は約4.9%減少します。
たとえば、米ドル建て資産100万円を持っており、海外株の価格が変わらなかったとします。為替だけが163円から155円へ動いた場合、円換算額は約95万1,000円です。
| ドル円 | 海外資産100万円の概算評価額 |
|---|---|
| 163円 | 100万円 |
| 160円 | 約98万2,000円 |
| 155円 | 約95万1,000円 |
| 150円 | 約92万円 |
円高になるほど、すでに持っている海外資産の円換算額は小さくなります。反対に、新しく海外資産を買う人にとっては、同じ金額の円でより多く買いやすくなります。
オルカン100万円ならいくら下がる?
オルカンには日本株も含まれているため、保有資産のすべてがドル円の影響を受けるわけではありません。2026年3月末時点では日本株が5.2%、日本以外の先進国株と新興国株が合計94.8%でした。
この比率を使い、日本株と海外株の価格が変わらず、海外通貨がドル円と同じ割合で動くと仮定すると、試算結果は次のようになります。
| 為替介入後のドル円 | オルカン100万円の概算 | 163円からの変化 |
|---|---|---|
| 163円 | 100万円 | 0円 |
| 160円 | 約98万3,000円 | 約1万7,000円減 |
| 155円 | 約95万3,000円 | 約4万7,000円減 |
| 150円 | 約92万4,000円 | 約7万6,000円減 |
163円から155円へ円高になるケースでは、100万円あたり約4万7,000円の下落です。300万円保有していれば約14万円、500万円なら約23万円の差になる計算です。
ただし、オルカンには米ドルだけでなく、ユーロ、台湾ドル、英ポンドなど複数の通貨が含まれます。運用会社も、基準価額は株価と複数通貨の為替変動によって動くと説明しています。表の金額は、影響の大きさをつかむための概算です。
円高と株安が重なったらどうなる?
為替介入が行われても、株価が同じままとは限りません。急な円高をきっかけに投資家が取引を縮小し、海外株も下がれば、オルカンには為替と株価の両方が影響します。
海外株が5%下落するケースも加えてみます。
| ドル円 | 海外株の変化 | オルカン100万円の概算 |
|---|---|---|
| 163円 | 5%下落 | 約95万3,000円 |
| 160円 | 5%下落 | 約93万6,000円 |
| 155円 | 5%下落 | 約90万8,000円 |
| 150円 | 5%下落 | 約88万1,000円 |
155円まで円高になり、海外株も5%下がると、100万円は約90万8,000円となる概算です。
一方、海外株が上昇すれば、円高によるマイナスを相殺することもあります。オルカンの基準価額は、ドル円だけを見ても予測できないんですね。
為替介入の前にオルカンを売るべき?
為替介入を予想してオルカンを売るのは、簡単ではありません。介入の日時は事前に公表されず、実施されても、どこまで円高になるか、何日続くかは分からないからです。
2026年春には11兆円を超える介入で一時155円台まで円高になりましたが、約2カ月後には163円台まで円安が進みました。介入前に売却できたとしても、その後どの水準で買い直すかという別の判断が必要になります。
長期の積立を前提としている場合は、為替の短期予想よりも、円高で評価額が10%下がっても続けられる金額かどうかを確認するほうが現実的です。円高になれば、毎月の積立では海外資産を以前より安く購入できる面もあります。
オルカン100万円が90万円前後になったとき、積立を続けられるでしょうか。毎月の積立額、運用期間、想定利回りを変えて、自分の資産形成への影響を確認してみてください。
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※この記事は2026年7月時点の情報をもとにした一般的な解説で、個別の投資の助言や税務の相談ではありません。制度は法改正などで変わることがあります。実際の取り扱いは、勤め先や金融機関、専門家にご確認ください。

