日経平均7万円。今から積立を始めるのは「高値づかみ」ですか?
「日経平均が7万円を超えた」というニュースを見て、正直、始めるのをためらっていませんか。私も数年前、初めて積立を設定しようとしたとき、ちょうど株価がぐんぐん上がっている時期で、「今買ったら、いちばん高いところで掴むことになるんじゃないか」と指を止めてしまった記憶があります。あのときの、あと一歩が踏み出せない感じは、今でもよく覚えています。
そういう不安を持つのは、たぶんとても自然なことだと思います。人は「高い買い物をして損をする」ことを、得をすること以上に嫌う生き物なので。
先に結論をお伝えします
いちばん大事なところから言いますね。ある日の株価が「高値だったのか、安値だったのか」は、残念ながら後になってからしか分かりません。今日の7万円が高いのか安いのかを、今の時点で正確に言い当てられる人は、プロを含めて誰もいないと思います。
だからこそ、多くの人にとって現実的なのは、始める時期を当てにいこうとするのをやめて、毎月少しずつ買っていく形で「時間を分散する」ことなんですね。これがいわゆる積立投資の考え方です。
ただし、これは「全員に同じ答え」ではありません。近いうちに使う予定のお金なのか、当分使わないお金なのかで、話はまったく変わってきます。ここは後半で詳しくお話しします。
いま、相場はどうなっているのか
事実の部分だけ、簡単に整理しておきます。日経平均株価は2026年6月に史上最高値を更新し、6月22日には初めて7万2000円台をつけました。その少し前の3月末には5万円台だったことを思うと、この数か月で水準がかなり切り上がったことになります。
上昇をけん引しているのはAI関連や半導体の銘柄で、マイクロンやキオクシアといった名前がニュースに並びました。あわせて日銀は約31年ぶりに政策金利を1%へ引き上げています。動きの多い相場、という言い方ができるかもしれません。
ここで正直に書いておきたいのですが、この先も上がり続けるのか、それとも一度大きく下げるのかは、私には分かりません。分かると言う人がいたら、少し距離を置いたほうがよいと思います。この記事でも、そこは予想しません。
「高値づかみ」が怖いのは、一括で買うから
高値づかみという言葉が怖く感じるのは、たいてい「まとまったお金を、一度にドンと入れる」場面を想像しているからだと思うんです。もし100万円を今日いっぺんに入れて、翌週に相場が2割下がったら、それはたしかにショックですよね。
ところが、毎月一定額を積み立てる形にすると、この怖さはだいぶ和らぎます。株価が高い月は少ししか口数を買えず、安い月には同じ金額でたくさん買えます。結果として、買う値段が平均的にならされていくわけです。これをドルコスト平均法といいます。安いところだけを狙って買う、という都合のよいことはできませんが、その代わり「いちばん高い日にすべてを賭ける」という失敗も避けられる、と考えると分かりやすいかもしれません。
待つことにも、実はコストがあります
「もう少し下がってから始めよう」と待つ気持ちも、よく分かります。私もそうでした。でも、待つあいだにも、静かにコストが発生していることは知っておいてほしいんです。
たとえば今回のように、3月末に5万円台だったものが6月に7万円台まで動いた局面では、「下がったら」と待っていた人は、その上昇には乗れていません。もちろん逆に、待っているあいだに下がることもあります。要するに、待つという選択は「当たることもあれば外れることもある賭け」であって、確実に有利になる方法ではない、ということなんですね。
二択で整理すると、こんな感じになります。
- 一括で入れる vs 毎月積み立てる:精神的な負担を減らしたいなら、積立のほうが続けやすいと感じる人が多いです
- 今日から始める vs 下がるまで待つ:待つのは相場を当てにいく行為なので、当てにいかない積立と相性が悪いです
見落としやすい点
ここからは、他ではあまり丁寧に触れられない部分を書いておきます。ここが今日いちばん伝えたいところかもしれません。
まず、「最高値=割高」とは限らない、という点です。世界の株価指数は、長い目で見ると何度も最高値を更新しながら、そのつど「今が天井では」と言われ続けてきました。だからといって将来も必ず上がると保証されているわけではありませんが、「最高値だから危ない」という感覚だけで判断を止めるのは、少しもったいないように思います。
次に、これがいちばん大事なのですが、近いうちに使うお金は、そもそも投資に回さないことです。目安として、5年以内に使う予定のあるお金(結婚資金や住宅の頭金、教育費など)や、生活を守るための当面の貯金は、株価がどうであれ現金で確保しておくのが安心です。高値づかみが本当に怖い場面は、「値下がりしたまさにそのタイミングで、現金化しなければならないとき」だからです。使う時期に余裕があれば、目先の上下はそれほど怖くなくなります。
それから、金額の話も。大きな額を一度に入れて、その日から株価が気になって眠れなくなるくらいなら、毎月の金額を下げたり、投資に回す期間を分けたりするほうが、結局は長く続けられます。投資でいちばん効くのは、派手なタイミングの妙ではなく、続けられることだと私は思っています。
最後に、今の上昇がAIや半導体といった一部の銘柄に引っぱられている面がある、という点も頭の片隅に。特定のテーマに集中した商品ばかりに寄せると、その分野が調整したときの揺れも大きくなります。これは「買うな」という話ではなく、自分がどれくらいの値動きまでなら耐えられるかを、一度考えてみてほしい、という程度の補足です。
自分の場合、どうなるか試してみてください
とはいえ、文章だけ読んでも、自分ごとにはなりにくいですよね。「今月から毎月いくら」で始めた場合と、「半年待ってから」始めた場合で、数字がどう変わるのか。あるいは想定する利回りを変えると結果がどう動くのか。こうしたことは、実際に数字を入れて見てみるのがいちばん腹落ちします。
当サイトのシミュレーターは、NISA・iDeCo・企業型DCの3つの制度をまとめて試せます。毎月の積立額や期間、想定利回りを動かして、「始める時期の差」がどれくらいになるのかを、ご自身の数字で確かめてみてください。
➡️ NISA・iDeCo・企業型DC 三制度比較シミュレーターを試してみる
※この記事は2026年7月時点の情報をもとにした一般的な解説で、個別の投資の助言や税務の相談ではありません。制度は法改正などで変わることがあります。実際の取り扱いは、勤め先や金融機関、専門家にご確認ください。

