日銀「金利1%」時代。預金に利息がついた今も、NISAを続ける意味はある?
銀行の金利、少し上がってきましたよね。私の口座にも久しぶりに利息らしい利息がついていて、明細を見たとき、正直ちょっと嬉しくなりました。それと同時に、ふと思ったんです。「預金でも増えるなら、わざわざ値下がりのリスクを取ってまで、NISAで投資しなくてもいいんじゃないか」と。
同じことを感じている方は、たぶん少なくないと思います。今日はこの疑問に、私なりの考えで向き合ってみます。
先に結論をお伝えします
私の考えはこうです。預金と投資は、どちらか一方を選ぶ競争相手ではなくて、役割が違うものだと思っています。近いうちに使うお金は預金に、当分使う予定のないお金は投資に。この使い分けが基本で、金利が少し上がったからといって、その線引きが大きく変わるわけではありません。
むしろ金利の上昇は、預金の側から見れば素直に追い風です。だからといって「金利がついたからNISAはやめる」という判断は、多くの人にとってあまり噛み合わないのではないか、というのが私の結論です。もちろん、人によって預金の比率を少し増やすといった微調整はあってよいと思います。
いま、預金にはどれくらい利息がつくのか
まず事実を確認しておきますね。日銀は2026年6月18日に政策金利を1%へ引き上げました。1%という水準は1995年以来、約31年ぶりだそうです。
これを受けて、三菱UFJ・三井住友・みずほのメガバンク3行は、普通預金の金利を0.3%から0.4%へ、2026年8月3日に引き上げると発表しました。1年ものの定期預金も0.4%前後です。ネット銀行に目を向けると、1年定期で1.2%から1.4%台という商品も出てきています。ただ、こうした高い金利は新規口座限定だったり、預けられる金額に上限があったりするキャンペーンが多いので、そこは後で触れます。
「利息がついた」の中身を、冷静に見てみます
数字が上がったと聞くと大きく増える気がしますが、実際の額も確かめておきましょう。ここが意外と大事なところなんです。
たとえば100万円を年0.4%の定期に1年預けると、利息は税引き前で4,000円です。預金の利息には20.315%の税金(所得税と住民税など)がかかるので、手元に残るのは3,000円ちょっと。仮に年1%のネット銀行に預けられたとしても、税引き前で1万円、税引き後で8,000円ほどです。
マイナス金利が解除される前の2024年3月ごろ、メガバンクの普通預金金利は0.001%でした。100万円を1年預けて利息が10円という時代です。それを思えば、今は劇的に良くなったと言えます。ただ、金額の実感としてはこのくらい、という冷静な目も持っておきたいところです。
見落としたくない、物価との関係
もうひとつ、これは触れておかないとフェアではないと思うのですが、金利の話は物価とセットで考える必要があります。
たとえば預金金利が0.4%でも、その1年で世の中の物価が2%上がっていたとしたら、お金の「買える量」はむしろ減っていることになります。金利から物価上昇分を引いた、いわば実質の金利で見ると、まだマイナスということもありうるわけです。
将来の物価がどうなるかは私にも分かりませんし、ここで予想するつもりもありません。ただ、「金利がついたから、これでもう安心」と手放しで言い切れるほど単純な話ではない、ということは知っておいて損はないと思います。長い目でインフレに負けにくくする手段として、投資という選択肢が残る理由は、まさにここにあります。
預金と投資、それぞれの役割
整理すると、こういうことです。
- 預金の役割:元本が減らず、いつでも引き出せます。だから、生活を守るための当面のお金や、5年以内など近いうちに使う予定のあるお金の置き場所に向いています。今回の金利上昇は、この部分にとっては素直にうれしい変化です
- 投資(NISAなど)の役割:短期では値段が上下しますが、長い時間をかけてインフレに負けにくくしたり、複利で増やしたりする可能性があります。当分使わないお金を託す先、というイメージです
つまり両者は、置き場所の使い分けの問題であって、勝ち負けを競うものではないんですね。
見落としやすい点
ここからは、他ではあまり丁寧に語られない部分を書いておきます。
まず、「預金か投資か」という二択で考えないことです。実際には、多くの人が両方を持っています。大事なのはその割合で、自分がどれくらいの値動きに耐えられるか、いつお金を使う予定があるかで決まってきます。金利が上がったこの機会に、その割合を見直してみる、というのは良いことだと思います。
次に、これは意外と忘れられがちなのですが、金利が上がる局面では借金のコストも上がります。変動金利の住宅ローンを組んでいる方は、返済額が増える可能性があります。もし高い金利の借り入れがあるなら、投資を増やすより先に、その返済を優先するほうが確実な場合が多いです。「借金の金利を減らす」ことは、同じ利回りで運用するのと似た効果があるからです。
定期預金の注意点もひとつ。満期前に引き出すと、適用される金利が大きく下がってしまいます。「すぐには使わないけれど、いつか使うかも」というお金を長期の定期に入れると、いざというとき損をすることがあります。
それから、NISAの本当の強みは金利差ではなく、運用で得た利益に税金がかからない点です。預金の利息には先ほどの20.315%がかかりますが、NISAの口座の中で増えた分にはこの税金がかかりません。この差は、運用する期間が長くなるほど効いてきます。
最後に、ネット銀行の1%台の金利は魅力的ですが、キャンペーン限定だったり、対象が100万円までだったりすることが多いです。飛びつく前に、条件と適用期間をよく確認してみてください。
自分の場合、どうなるか試してみてください
とはいえ、「預金に置いた場合」と「NISAなどで運用した場合」で、10年後や20年後にどのくらい差がつくのかは、文章だけではイメージしにくいですよね。ここは実際に数字を入れて見てみるのがいちばんです。
当サイトのシミュレーターは、NISA・iDeCo・企業型DCの3つの制度をまとめて試せます。毎月の金額や期間、想定利回りを動かして、「同じお金を預金で寝かせた場合」との違いを、ご自身の数字で確かめてみてください。使い分けの割合を考えるヒントになると思います。
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※この記事は2026年7月時点の情報をもとにした一般的な解説で、個別の投資の助言や税務の相談ではありません。制度や金利は今後変わることがあります。実際の預金金利や取り扱いは、各金融機関や専門家にご確認ください。

